店主ノート
ジンギスカン
2012年09月25日(火) 11:36
9月25日 10:10
昨日は給料日前の連休明けで暇だろうなと思っていたら、違いました。
首を寝違いているは夕方の賄い(鱈ちり)は食べそこねるはで後半はふらふらでした。
たまに置く生ラム串焼きを焼きながら、ジンギスカンが好きな僕は学生時代のある悲しい出来事を思い出しました。
高校時代は下宿生活をしていて食べ盛りの僕の楽しみは食事でした。
何せおふくろが作った料理には好き嫌いと文句を言ってワガママに育てられたけどおばさんには言えない。
嫌いなカレーライスを目玉焼きに変えてくれるだけでも幸せと思わなければと…
そのメニューの中で楽しみはジンギスカンです。
当時は学生と社会人を入れて10人位が下宿してました。
風呂は無く二層式洗濯機が一台(順番で使用)で各部屋に食事と電話を知らせるブザーが付いてました。
おばさんは食事が出来たら、ブザーを鳴らして教えてくれます。
僕は学校から帰って来たらテレビを観ながら、早くブザーが鳴らないかなと待ってました。
なんせ朝夕の2食付きで昼飯はないので食べ盛りの僕はその空腹感は毎日飢えすぎてました。
ブザーが鳴ると2階の階段から、転げ落ちる位にダッシュですよ。
ダッシュの意味ですか。
腹が減ってる。
今日のおかずは天国なのか地獄なのかを早く確認したい
テーブルに並んでるおかずを少しでも量の多いのを誰よりも一番に早く選んで食べる。(対外、僕が一番でした)
ジンギスカンは月に一回位でした。
僕はジンギスカンの日がなんとなくわかってました。
必ずジンギスカンの日の3日前位から、朝と夜のおかずが寂しくなってくるんです。
そして食堂に行って読みが当たってジンギスカンだったら、
もう、万馬券に当たった気持ちですよ。
そして天使が涙目になってる僕を席までエスコートをしてくれる。
でも、ここからが勝負ですよ。
おばさんは食事を作ったら、隣りの部屋に行ってテレビを観てます。
食堂にはご飯ジャー・みそ汁・ホットプレート・ジンギスカンの肉(個別)・野菜(個別)・ジンギスカンのタレがテーブルに並んでそして僕だけです(笑)。
僕は次の人が少しでも遅く来るのを願いながら、肉だけに集中して一つ一つをじっくり品定めをしながら
ご飯もみそ汁もわざとゆっくりよそいながら品定めをする時間を稼ぎ一番肉の多いのを選んで
女性はなかったけど
他の男性はやっぱり僕と同じく品定めをして
それを観て僕は心の中で「俺が一番肉の多いのを選んだんだよ」とにんまりしてましたよ。
その日のミッションはもちろん成功ですよ。
ジンギスカンの日はそんな感じでした。
それから、十ヶ月後に奈落の底に落ちる日が来ました。
その日の夕方に下宿代を払いに夕飯を作ってるおばさんのとこに行ったら
見てしまったんです。
おばさんがジンギスカンの肉をちゃんと計って皿に盛っていたんです。
そしておばさんは僕に言いました。
「大変なんだよね〜300gにするのわ」
僕は顔は笑って心の中は大好きな彼女にいきなり別れると言われて号泣してる気持ちでした。
これが悲しい出来事です。
それが原因なのか…
今でも店が終わり、家に帰ったら2日おきにジンギスカンを300g位食べてます。
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